■開発の背景・目的
防護柵に関する基準は、その時代その時代の社会的要請と技術的成果を基に所要の改訂がされ、平成10年11月に仕様規定から性能規定へと大きく変更しました。近年では、道路土工ー擁壁工指針の改訂の中でも、性能規定設計の考え方が取り入れられるようになってきています。 このような流れの中で、近年は仮設用防護柵が多く利用されるようになってきています。設置されている場所は、災害・工事現場の規制区間、高規格道路・バイパス工事の暫定供用、高速道路の料金所付近の摺合せ部、既存道路の拡幅工事、維持管理などと色々な場所で利用されています。
しかし、仮設用防護柵に関しては、画一的な設置基準や規定はなく、現場ごとに管理者が現場状況に応じて、各種の仮設用防護柵を検討し、設置しています。
仮設用防護柵の材質はコンクリート、コンクリート基礎+ガードレール、プラスチック製などの製品が多く利用されています。形状についても、コンクリート基礎+カードール、H鋼材+ガードレール、フロリダ式等の形状が多く利用されています。仮設用防護柵の構造上の課題は、路面上に設置するために、自動車の衝突時の全荷重を製品で受け持つ必要があるため、永久構造と比較した場合、断面が大きくなります。
このような背景から、乗用車を走行速度70km/h、衝突角度20度で実車衝突実験を2回実施し、衝突時には防護柵自体が横に滑り、衝撃力を緩和することで、防護柵の設置基準・同解説(日本道路協会H20.1)に示された性能基準を乗用車で満足する「TPブレガート」を開発しました。 |
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